田畑の土手(坂根)
坂根では、水田と水田との段差が大きい所があり、その土手は幅が広くススキも生えている。自然農法をしている耕作者が、カヤネズミ(絶滅危惧U類)を発見して、一部のススキを刈り取らずに生活環境を保全している。ここでは、農作物の緑肥として利用するソルガムや、近くの水田の稲にも巣をかけるほど身近な動物となっている。草の実、バッタ類、他の小さな昆虫を餌とし、稲を食い荒らすことはない。
カヤネズミの巣(坂根)
草原ではないが、この自然農法の畑には長さ二〇cm、幅が一〇cm弱の褐色で大型のヤマナメクジが野菜に巻きついていたそうで、自然豊かな農地である。
五 川堤防の草原
川の堤防は、農薬の被害が比較的少なく、昆虫やその他の小動物は多い。ウスバキトンボ(盆トンボ・おしょろさま=御精霊様トンボ)は、本来は水田に多く見られる空飛ぶ昆虫の代表でもあった。現在は以前に比べると少ないが、それは幼虫期と成虫期を通しての餌となる昆虫類の激減と考えられる。川の堤防には、餌となる飛翔する小さな昆虫類が多いので、水田に代わって川辺にウスバキトンボが多く集まる現象が起きている。草原ではないが、畑で草取りをしたり、草地を耕運機で耕している所では、小さな虫が飛び立つので、ウスバキトンボがそれを食べに多く集まってくる。
ウスバキトンボ