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十一 動物による農業被害の状況

 近年、野生動物による被害が拡大してきた。動物種と町内の被害状況 の概要は次の通りである。

○野生鳥獣による被害状況の概要(平成二十三〜二十五年度)
  イノシシ 稲 麦 豆 果樹 飼料作物 野菜
  ヒヨドリ 果樹 飼料作物
  ムクドリ 果樹
  シカ   麦 豆
  カラス  麦 果樹 野菜
  ウサギ  豆
  ハト   豆
  スズメ  稲
  カモ類  麦


 三年間の平均被害金額の大きい加害動物は、第一位がカラス、第二位はイノシシ、第三位はヒヨドリで、この三種の動物が群を抜いている。被害を受けている農作物は、第一位は果物、第二位は麦、第三位は稲と野菜がほぼ同じである。稲は、防御電線が張り巡らされた対策がかなり充実しているので、被害は抑えられている。

 イノシシは、右記六種の作物を加害しているだけでなく、小動物を獲るために土地を掘り起こしたり、ヘビやカエル、カニ、その他の動物種を食い荒らして、これまでの生態系を大きく崩している。この他、被害届は出されていないものの、タヌキやアナグマによる畑の作物荒しは、拡大の状況である。人里に出現してきたイノシシやシカ、アナグマが、人間の作る食物が美味しいと学習をしたことが大きな要因である。林業への加害動物はシカに限定され、この被害も年々増加の傾向にある。
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