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第九節 筑前町の絶滅危惧種ほか

 絶滅危惧種は絶滅のおそれのある生物で、福岡県で指定したものをレッドデータブックにまとめている。その目的は、県内の希少な野生動植物を保護し、生態系をかたちづくる多様な生き物の相互関係を持続させていくことにある。いろいろな土地や河川を開発する前の計画に利用される。レッドデータブックは、植物・哺乳類と鳥類が平成二十三年(二〇一一)に、爬虫類・両生類・魚類・昆虫類・貝類・甲殻類・クモ類等が平成二十六年(二〇一四)に発刊されている。その中で、本町で確認できた絶滅危惧種を記載した。


一 哺乳類

【絶滅危惧U類】
 ◆カヤネズミ(ネズミ科)

【準絶滅危惧】
 ◆ニホンザル(オナガザル科)◆キツネ(イヌ科)◆ニホンイタチ(イタチ科)◆ムササビ(リス科)◆ハタネズミ(ネズミ科)


二 鳥 類

〔夏〕夏鳥〔冬〕冬鳥〔留〕留鳥〔漂〕漂鳥〔旅〕旅鳥

【絶滅危惧T類】
 ◆クロツラヘラサギ(トキ科)〔冬〕◆ヘラサギ(トキ科)〔冬〕◆ヨタカ(タカ科)〔夏〕

【絶滅危惧U類】
 ◆トモエガモ(カモ科)〔冬〕◆アカショウビン(カワセミ科)〔夏〕◆コアジサシ(カモメ科)〔夏〕 ◆サンコウチョウ(ヒタキ科)〔旅〕◆ハヤブサ(ハヤブサ科)〔漂・留〕◆ヤマドリ(キジ科)〔留〕

【準絶滅危惧】
 ◆オシドリ(カモ科)〔冬・漂・留〕◆アマサギ(サギ科)〔夏〕◆オオタカ(タカ科)〔漂・留〕◆ノスリ(タカ科)〔漂・留〕◆オオヨシキリ(ウグイス科)〔夏〕◆タゲリ(チドリ科)〔冬〕◆タマシギ(タマシギ科)〔漂・留〕◆チュウサギ(サギ科)〔夏〕◆ヤマセミ(カワセミ科)〔留〕 ◆カンムリカイツブリ(カイツブリ科)〔冬〕


三 爬虫類

【絶滅危惧U類】
 ◆ニホンイシガメ(イシガメ科)

【準絶滅危惧】
 ◆ジムグリ(ナミヘビ科)◆ヒバカリ(ナミヘビ科)


四 両生類

【絶滅危惧T類】
 ◆トノサマガエル(アカガエル科)

【絶滅危惧U類】
 ◆ニホンヒキガエル(ヒキガエル科)◆ニホンアカガエル(アカガエル科)◆ヤマアカガエル(アカガエル科)

【準絶滅危惧】
 ◆アカハライモリ(イモリ科)◆ツチガエル(アカガエル科)◆ブチサンショウウオ(サンショウウオ科)


五 魚 類

【絶滅危惧U類】
 ◆ドジョウ(ドジョウ科)

【準絶滅危惧】
 ◆メダカ(メダカ科)◆アブラボテ(コイ科)◆ツチフキ(コイ科)◆ヤマトシマドジョウ(ドジョウ科)◆カジカ(カジカ科)◆オヤニラミ(ケツギョ科)


六 昆虫類

【絶滅危惧U類】
 ◆コガタノゲンゴロウ(ゲンゴロウ科)

【準絶滅危惧】
 ◆エゾハルゼミ(セミ科)◆ミズカマキリ(タイコウチ科)◆マイマイカブリ(オサムシ科)◆ヘイケボタル(ホタル科)◆キイトトンボ(イトトンボ科)◆クロサナエ(トンボ科)◆ヤマトスジグロシロチョウ(シロチョウ科)◆ミズイロオナガシジミ(シジミチョウ科)◆メスグロヒョウモン(タテハチョウ科)◆ヒオドシチョウ(タテハチョウ科)◆ジャノメチョウ(タテハチョウ科)

※ 筑前町において、今回は確認されなかったが、これからも調査対象として留意しておく必要のある昆虫を記載する。

【絶滅種】
 ▽ルーミスシジミ(シジミチョウ科)

【絶滅危惧T類】
 ▽タイワンツバメシジミ(シジミチョウ科)▽イトアメンボ(イトアメンボ科)▽ゲンゴロウ(ゲンゴロウ科)▽ミズスマシ(ミズスマシ科)▽ガムシ(ガムシ科)▽オオクワガタ(クワガタムシ科)▽ウマノオバチ(コマユバチ科)▽カラスシジミ(シジミチョウ科)▽ヒカゲチョウ(タテハチョウ科)

【絶滅危惧U類】
 ▽エサキアメンボ(アメンボ科)▽ナベブタムシ(ナベブタムシ科)▽オオカマキリモドキ(カマキリモドキ科)▽ツノコガネ(コガネムシ科)▽オオチャイロハナムグリ(コガネムシ科)▽トラフカミキリ(カミキリムシ科)▽キュウシュウホソカ(ホソカ科)▽オオミノガ(ミノガ科)▽ツマグロキチョウ(シロチョウ科)▽コツバメ(シジミチョウ科)▽クロシジミ(シジミチョウ科)▽シルビアシジミ(シジミチョウ科)▽クモガタヒョウモン(タテハチョウ科)▽ウラナミジャノメ(タテハチョウ科)▽オオシモフリスズメ(スズメガ科)

【準絶滅危惧】
 ▽オツネントンボ(アオイトトンボ科)▽コカブトムシ(コガネムシ科)▽オオオバボタル(ホタル科)▽クスベニカミキリ(カミキリムシ科)▽ホシガガンボモドキ(ガガンボモドキ科)▽ハマダラハルカ(ハルカ科)▽ミヤマセセリ(セセリチョウ科)▽ウラゴマダラシジミ(シジミチョウ科)▽アカシジミ(シジミチョウ科)▽ウラキンシジミ(シジミチョウ科)▽オオムラサキ(タテハチョウ科)


七 貝 類

【準絶滅危惧】
 ◆マルタニシ(タニシ科)◆モノアラガイ(モノアラガイ科)

※ 昆虫類は、温暖化現象や農薬、土地開発などによる影響が特に大きい。その影響は、種の稀少化や新たな種の増加として現れる。これらの変化は、人々が、気付かないうちに、いつの間にか生じている。
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