カワセミを代表する言葉に「空飛ぶ宝石」という表現があります。
正にその通りで、太陽の直射光線を受ける体全体の輝きは美しいですね。「カワセミは渓谷のような大変澄み切ったきれいな川に棲んでいる。」というイメージを多くの人が持つのもなるほどと頷けます。
それほど渓谷の景勝に似合った美しい色彩を放ちます。
ところで、当のカワセミは渓谷に限らず、魚が多く棲んでいれば何処へでも出かけ、また、棲みついています。平野部の普通の川、農業用排水路、濁りのある堤や池など、魚がたくさん棲んでいる所にカワセミはいます。したがって、カワセミが棲んでいる所は、見た目に清いところではなく、魚がたくさん棲める清い水質をもった水環境ということです。
私がカワセミの写真撮影をする場所の一つに平塚川添遺跡公園があります。ここの環濠の水はとても濁っています。が、この水は全て地下水と雨水です。あらゆる生物にとって体にはとても良いきれいな水で、めだかや他の小魚がたくさん棲んでいます。そのため、コサギ、チュウサギ、アオサギ、ダイサギ、コアジサシなどの水鳥が訪れます。
@ サギ類がいる場所・・・・ サギ類がいる場所は魚が多いのでカワセミもやってきます。
A 岸辺から川面の上に突き出した木の枝
B 堰のコンクリート面
C 川岸の石垣の上部や壁面の排水管
D 水面から近い橋の上
E 川の近くにあるお堂の屋根
F 水面上のロープ
G セイタカアワダチソウなどの比較的丈夫な草本
H 川の中の石の上
※2008/2/16 午後、小石原川下浦で ホバリングを目撃、寒い中ではあったのですが、魚が泳いでいたようです。
写真を撮影したいとき、カワセミウオッチングを楽しみたいときは、一度見かけた場所には必ずやって来ますので、そこで待機しておくことです。
待機中は本を読んだり、カメラの撮影確認をしたり、何かをしながら待っていれば退屈することはありません。なぜなら、カワセミがやってくるときは「ツィー」と金属音の鳴き声を2,3回出しながら飛んで来ることが多いので、鳴き声をしっかりと判断できるようにしておけばよいのです。
もっとも、いつの間にか来ていたということもたまにありますが・・・。 鳴き声を覚えておくと、どこを向いていても見つける確率が高くなります。
カワセミの特徴は、体の色彩のほかに顕著な特徴があります。口ばしを良く見てみましょう。
先端から口元までの全体の形を見ると、流線型で鋭さを持ち合わせています。この形は、水中でも最高のスピードが出るようになっていて、瞬間的に魚を捕ることができるのです。
この口ばしに目をつけ、取り入れて開発されたのが新幹線の頭部でした。空気圧が大きいトンネルの中でも、できるだけスピードが落ちないように走るための開発です。
これは、トンネルが多い山陽新幹線用に開発されました。開発したのはバードウオッチングの趣味を持った人だそうです。
長く鋭いくちばしを持ったカワセミの写真を撮影するには、カワセミが良く止まり自動車がすぐ近くに停車できる場所がよいですね。カワセミがやってくる前に停車して待っておけば、車の中から容易に撮影できます。カワセミの警戒は車に対してはありませんでした。
カワセミがよくいる場所は健全な水質環境に恵まれていると考えてよいでしょう。なぜならば、カワセミは魚が多く棲んでいる所で生活をしているからです。食物連鎖から想定すれば、多種多様な水生の動植物が生活していて生態系が豊かな場所なのです。
下流域の下浦では、小さな水路の水がとてもきれいになっています。市内の下水道工事が進み、家庭用排水の小石原川への流れ込みが激減してきたからです。水の多い梅雨の時期、小さな水路にも大きな川から上ってきたドジョウが姿を見せるようになりました。これからはいつの季節にも、また、水田の中にもドジョウが見られる時が再び訪れることを願っています。なぜなら、ドジョウは体に害のある化学成分に対して、他の魚に比べて非常に抵抗力が弱い体のつくりになっているからです。
2006年の6月、市内の楢原の農業用排水路では、平野部では今まで経験したことが無い素晴らしいホタルの乱舞が見られました。実に見事なものでした。これは、ホタルを育てている楢原地区の人々の努力によることはもちろんですが、家庭用排水の流れ込みが激減してホタルの幼虫にとって水環境がとても良くなったからです。
いろいろな生き物が生活できない自然環境は、生物として自然の一員であるヒトにもやがてその運命をたどる法則があることを自覚しておかなければなりません。それも、私たちの子孫に・・・・・。
・水辺の土の崖などに巣穴をつくって子育てを行います。
・停空飛翔(ホバリング)とダイビングのウオッチングは楽しいですね。
・魚とりの王様「キングフィッシャー」と呼ばれています。
・求愛活動でオスはメスに魚をプレゼントして、受け取ってもらえばカップルの成立です。