飯田大和の自然教室
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bP4 絶滅危惧U種「新にチズジノリを発見」(2007.3)


≪ チスジノリとは ≫

 絶滅危惧T種のオキチモズクと同じ紅藻類で、色は小豆色をしています。オキチモズクより大きく成長し1mを超えるものがあります。

 外見上の違いは、チスジノリの方が1本のひも状の茎から数多くの小枝が出ていることです。


1本の茎からの枝分かれが多いチスジノリ


1本の茎からの枝分かれが少ないオキチモズク

 今年2月19日、朝の散歩の途中道路上から、下浦農業用排水路の下流域で数株のチスジノリを発見しました。後日、詳しく調査をしたところ大小さまざまな大きさのものが25株生育しているのが分かりました。

 また、昨年3月に小石原川馬田橋直下で1株のチスジノリが発見されていましたが、今年はその場所で15株も確認することできました。


≪ 発見箇所その1 下浦農業用排水路下流域 ≫

2月25日 下浦農業用排水路下流域I区でチスジノリを調査しました。その結果は次の通りです。

株総数25株 その内11株の長さを測定しました。
193cm 137cm 137cm 117cm 102cm    65cm  60cm  57cm  57cm  38cm  34cm


下浦農業用排水路下流域


右のチスジノリが生育している場所


長さ193cmと大きい


≪ 発見箇所その2 馬田橋直下 ≫

 3月3日 馬田橋直下のチスジノリの調査をしました。その結果は次の通りです。

◎株総数15株 すべて長さを測定しました。
80cm 71cm 62cm 61cm 46cm 35cm 30cm 30cm 29cm 23cm 20cm 18cm 16cm 15 cm 9cm

 
1本の茎からの枝分かれしたものが長く成長しています。

 下浦農業用排水路では、今回初めて発見されたのです。毎年その場所ではオキチモズクの調査を試みていました。オキチモズクは数株程度確認していましたが、チスジノリは全く発見されていませんでしたので大変な驚きでした。

 去る1月28日に、熊本県南小国町の渓谷で多くのチスジノリを確認していたのですが、今年の冬期はチスジノリが各地で多く生育している傾向にあるようです。


≪ 馬田地域に絶滅危惧種が多いことから ≫

 馬田地域だけで、絶滅危惧T種のオキチモズク、絶滅危惧U種のカワモズクとチスジノリが多量に発見されています。このことは、扇状地に位置するこの地域の水がかなり良質のものであると言ってもよいと考えています。

 家庭用排水の処理の設備が全戸で完備し、除草剤の不使用、防虫剤の使用量の削減が進めば、水質の改善はもっと期待できて、水生の植物に限らず水生の動物が多様に復活することでしょう。

 正に、「水と緑の朝倉市」の実現に川からも向かっているようです。


< チスジノリに学ぶ人生訓 >

忽然と現れる! 次々と未知の世界が現れる 体と頭を動かすことだ


< チスジノリの分類と名称 >

分類:ウミゾウメン目 (紅藻類) チスジノリ科
学名:Thorea okadae Yamada
和名:チズジノリ

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