絶滅危惧T種のオキチモズクと同じ紅藻類で、色は小豆色をしています。オキチモズクより大きく成長し1mを超えるものがあります。
外見上の違いは、チスジノリの方が1本のひも状の茎から数多くの小枝が出ていることです。
今年2月19日、朝の散歩の途中道路上から、下浦農業用排水路の下流域で数株のチスジノリを発見しました。後日、詳しく調査をしたところ大小さまざまな大きさのものが25株生育しているのが分かりました。
また、昨年3月に小石原川馬田橋直下で1株のチスジノリが発見されていましたが、今年はその場所で15株も確認することできました。
2月25日 下浦農業用排水路下流域I区でチスジノリを調査しました。その結果は次の通りです。
株総数25株 その内11株の長さを測定しました。
193cm 137cm 137cm 117cm 102cm 65cm 60cm 57cm 57cm 38cm 34cm
3月3日 馬田橋直下のチスジノリの調査をしました。その結果は次の通りです。
◎株総数15株 すべて長さを測定しました。
80cm 71cm 62cm 61cm 46cm 35cm 30cm 30cm 29cm 23cm 20cm 18cm 16cm 15
cm 9cm
下浦農業用排水路では、今回初めて発見されたのです。毎年その場所ではオキチモズクの調査を試みていました。オキチモズクは数株程度確認していましたが、チスジノリは全く発見されていませんでしたので大変な驚きでした。
去る1月28日に、熊本県南小国町の渓谷で多くのチスジノリを確認していたのですが、今年の冬期はチスジノリが各地で多く生育している傾向にあるようです。
馬田地域だけで、絶滅危惧T種のオキチモズク、絶滅危惧U種のカワモズクとチスジノリが多量に発見されています。このことは、扇状地に位置するこの地域の水がかなり良質のものであると言ってもよいと考えています。
家庭用排水の処理の設備が全戸で完備し、除草剤の不使用、防虫剤の使用量の削減が進めば、水質の改善はもっと期待できて、水生の植物に限らず水生の動物が多様に復活することでしょう。
正に、「水と緑の朝倉市」の実現に川からも向かっているようです。